最近完全予約制の診察を行う施設が多くなってきました。おそらくコロナウイルスの影響であると感じます。
感染のリスクをさける良い方法であると思います。
ただ、耳鼻科という診療科の特性で、急な痛み、急な出血、急なめまい、急な発熱など急激におこる病気、また治療がおそいと治りにくい突発性難聴や顔面神経麻痺、発見がおくれると怖い喉頭蓋炎や扁桃周囲膿瘍、視野異常のでる副鼻腔炎など、完全予約制ができない病気が多くあります。
そのため時間制完全予約はしておらず、自身の動ける限りすべての患者さんをみています(最近は昼食も食べれず、トイレもいけず、コップ1杯の水だけで一日診察していることも多々)。
当院に受診する中で他院の完全予約制からあふれてしまった患者さんも多いと思います。そのためとても混んでしまい、待合や駐車場で不便をかけています。
当院が完全予約制にした場合はすべてそれらの待合室や駐車場は解決します。しかし診察できなかった患者さんはどうなるのでしょう?他をさがすのでしょうか?探してみつかるのでしょうか?それは救急車のたらい回しをしているのとかわりありません。そのようなつらい状態をつくらないため、急性期の病気をみるため、当院の耳鼻咽喉科は完全予約制は行っていないのです。
完全予約制でない弊害として、「混む・待つ」という現象がおこるのです。待つことや混むこのが苦手のかたは事前にほかの病院を探すのがよいでしょう。
「待つ」と「他を探す」はどちらを選ぶか、それは日本は診療をうける医療機関の自由はあるので患者さんの選択となります。
患者さんの待ち時間や手厚い診療のためさいたま市にもう少し医療機関が増えてほしいとおもいます。
医療に逃げるが勝ちは存在しないから。